支払手形とは?勘定科目の説明と仕訳例、書き方や取引の流れまで解説
ここでは、支払手形を記載する際のポイントを見ていきましょう。
①支払期日
支払期日を記載します。
②相手先
受取人の社名を記載します。
③金額
金額を記載します。一般的には、チェックライターで印字します。手書きでも問題ありませんが、その場合は漢数字で記載します。
④振出日
仕入先等の相手に、手形を渡す日を記載します。
⑤振出人
自社の住所や名前、代表者の肩書と氏名を記載し、会社の銀行印を押印します。ゴム印でも問題ありませんが、この場合も会社の銀行印も押印します。
⑥印紙
代金に応じた印紙を貼り付けます。
記載金額 | 収入印紙 |
---|---|
10万円未満 | 非課税 |
10万円以上100万円以下 | 200円 |
100万円を超え200万円以下 | 400円 |
200万円を超え300万円以下 | 600円 |
300万円を超え500万円以下 | 1千円 |
支払手形取引の仕訳例
支払手形取引での仕訳は、一般的に、手形を振り出した時と期日が到来し代金が支払われた時の2つが必要です。
「支払手形」の勘定科目を用いる
支払手形取引では、「 支払手形 」の勘定科目を用います。「支払手形」は、流動負債の科目になります。
1.商品購入と支払手形の振り出しが同時の場合
・手形振り出し時
仕入先から商品500,000円を購入し、約束手形で支払った
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
仕入 | 500,000円 | 支払手形 | 500,000円 |
・期日が到来し代金が支払われた時
上記約束手形が期日を迎え、当座預金から500,000円が引き落とされた
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
支払手形 | 500,000円 | 当座預金 | 500,000円 |
2.商品購入と支払手形の振り出しが別日の場合
・商品購入時
仕入先に商品500,000円を発注し、配送された
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
仕入れ | 500,000円 | 買掛金 | 500,000円 |
・手形振り出し時
仕入先が集金に来たため、約束手形で500,000円を支払った
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
買掛金 | 500,000円 | 支払手形 | 500,000円 |
・期日が到来し代金が支払われた時
上記約束手形が期日を迎え、当座預金から500,000円が引き落とされた
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
支払手形 | 500,000円 | 当座預金 | 500,000円 |
支払手形を利用するときの注意点
支払手形を利用するときの注意点は、 支払期日までに決済代金を支払口座に入金しておく必要がある ということです。
もし、支払期日までに決済代金を支払口座に用意できない場合は、受取人に決済代金の支払いができず、 約束手形が不渡り になってしまいます。
1回目の不渡りから6か月以内に2回目の不渡りを出すと、 銀行取引の停止処分を受け、当座預金の取引と貸出取引が2年間できなくなります 。もちろん銀行からの信用も失うため融資なども受けにくくなり、倒産する可能性が高くなります。
【貿易】為替手形が2枚あるのはなぜ?|L/C(信用状)で書類が多すぎるケース
貿易実務・事務処理
船荷証券( B/L、3枚一組)や為替手形( B/E、2枚一組)の連想から、インボイスやパッキングリストも2枚、3枚、あるいはそれ以上、銀行提出書類として要求しているんじゃないかな、と。
為替手形が2枚あるのはなぜ?|L/C(信用状)で書類が多すぎるケース
為替手形( B/E, Bill of Exchange )が2枚セットである理由、それは「組手形(くみてがた)」だからです。
そして、2通ある B/E のうち、一枚が先に使われると、もう一枚は無効になります。
最近はプリンターで2通続けて印刷できるようになっていますけれど、若いころはタイプライターにカーボン紙を挟んで2通の B/E ( Bill of Exchange、為替手形)を作っていました。
つまり、Bill of Exchange が2通あるのには理由があります。
船荷証券( B/L )が3枚セットなのはなぜ?|昔からの商習慣で……
信用状( L/C )を使った決済では、ベネサート方式の場合を除き、3枚とも銀行に提出しますよね?
でも、昔々(今でも、ありますけれど)、L/C を使わずに代金決済をするときは、途中の紛失や盗難に備えるために原則として B/L(船荷証券)は1枚ずつ、郵送していたのです。
紛失が起きにくく、様々な方法で代金決済や貨物の所有者の確認ができる現在、電子 B/L 貿易手形 ( e-B/L )にチャレンジしている企業もあるにはあるようです。
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