- その株価の高値形成を図り、同株券の売買を誘引する目的をもって、平成13年6月4日から同年7月18日までの間、Cが経営する会社等の名義で、証券会社を介し、
不公正取引について
取引所金融商品市場では、有価証券の公正な価格形成及び流通の円滑化を図るため、一般の投資家に不測の損害をもたらすような行為や取引は不公正取引として金融商品取引法で禁止されており、 違反者には懲役や罰金といった重い罰則や課徴金などの処分 が科せられています。
当社では、金融商品取引法で規制されている相場操縦的行為やインサイダー(内部者)取引等の不公正な取引を排除するため、日々売買監視を行っており、その態勢強化に努めております。
当社の売買監視態勢
当社では、「売買監視システム」等により、相場操縦的行為に該当するおそれのある取引として、当社の「アテンション基準」に合致した場合には、未然防止の観点からお客さまに対し、お電話等により売買動機及び売買目的等についてヒアリングさせていただき、取引形態の内容に応じ、注意喚起を行っております。
なお、注意喚起後も改善が見られないお客さまや悪意性が高いと判断される取引を行ったお客さまにつきましては、取引の全部又は一部を制限させていただく場合がございます。
また、取引内容によっては、関係取引所及び証券取引等監視委員会等に報告・相談し、対応を行います。
「登録情報」の定期更新をお願いします。
当社にお届けいただいている「登録情報」について、「住所」「氏名」「電話番号」「Eメールアドレス」等の内容に変更があれば、速やかにお手続きいただくようをお願いしております。
「登録情報」は当社よりお客さまに対して様々なご案内又はご連絡させていただく際に必要な情報となりますので、変更手続きがなされずご本人確認が取れない場合には、お取引を制限させていただく場合がございます。
また、上場会社で会社関係者(役職員、大株主等)に該当するお客さまは、当社WEBサイトで必ず内部者登録を行っていただき、転職や異動等による変更があれば速やかに届出いただくようお願いいたします。当社では内部者登録された株式等の取引を受注する際には、その都度、WEBサイト上でインサイダー取引ではないことを確認させていただいておりますが、必要に応じて書面によりご回答をいただく場合がございます。
登録事項の変更方法はこちら
口座番号、ユーザーネーム、各種パスワードは口座名義人ご本人様で管理してください。
インターネット取引の匿名性に配慮し、口座名義人ご本人様以外の方(ご家族の方を含む)の口座のご利用ならびに個別のお取引に関するお問い合わせはお断りさせていただきます。
「大量保有報告書」を提出してください。
上場会社の株券等について、新たに発行済株式総数の5%超を取得した場合、また、その後1%以上の増減等(保有割合以外の事項(商号や住所、担保契約等)の変更及び共同保有者における同様の変更の場合を含みます。)が生じた場合、当該保有者(投資家の皆様ご自身)が、土日祝日を除き5日以内に大量保有報告書ないしは変更報告書を提出しなければ、金融商品取引法に違反することとなりますので、十分にご注意ください。平成20年12月12日施行の改正金融商品取引法により、大量保有報告制度における新たな課徴金制度が開始されました。
大量保有報告書に関する留意事項についての詳細はこちら
「役員又は主要株主の売買報告書」を提出してください。
上場会社等の役員及び主要株主に該当するお客さまが、自社株式等を売買した場合、その売買に関する報告書を売買を委託した金融商品取引業者を経由して、翌月15日までに財務局に提出することが義務付けられています。(当社が翌月初旬に発行する「役員又は主要株主の売買報告書」をご確認のうえ、署名・捺印後、毎月10日頃までの返送をお願いしております。)
役員及び主要株主の売買に関する留意事項についての詳細はこちら
不公正取引について
このような取引は、脱税やマネー・ロンダリングといった行為の温床となる可能性があることや、相場操縦といった不公正取引に利用される可能性があり、法令諸規則等により委託及び受託を禁止されています。
また、当社ではネット証券という事情を勘案して、お客さまの口座番号及びパスワードはご本人様で厳格に管理いただくことをお願いするとともに、ご本人様以外の方のご使用をお断りさせていただきます。
なお当社では、口座名義人以外の方が取引を行っている疑いがある場合には、犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づき、電話によるお客さまへの確認を実施させていただいております。
仮名取引のおそれがある事例
- 架空の名義で口座を開設し、取引をしているようなケース。
- 他人の名義を勝手に利用して口座を開設し、取引をしているようなケース。
借名取引のおそれがある事例
- 家族や友人から取引をすべて一任されているようなケース(口座の名義人の方が投資判断を行っていないケース)
- 数人のお客さまで一つの口座を利用して取引をしているようなケース。
4.空売り規制
空売り(信用新規売建て注文)においては、2013年11月5日、金融商品取引法施行令の一部改正により、価格規制適用銘柄(トリガー抵触銘柄) ※1 に対し、原則として直近公表価格以下の価格での発注が禁止(※2)されております(空売りの価格規制)。
個人投資家が行う信用新規売建て注文については、1回あたりの数量が売買単位の50単元以内の注文は同規制の対象外となります。ただし、50単元以内の注文を複数発注し、結果として発注数量が50単元を超えた場合(複数の証券会社および資金の所有者が実質同一人である場合の家族口座や法人口座等を利用したものも含む)は、一口の注文とみなされ空売りの価格規制の対象となります。
- ※ 50単元以下に分割した注文については、当社規制ルールに基づいて、分割発注における50単元を越える注文は、その前の注文が約定されるまで注文を受付けませんでしたが、規制改正に基づき、価格規制適用銘柄(トリガー抵触銘柄) ※1 に対して規制するルールに変更いたします。
- ※ 価格規制適用銘柄(トリガー抵触銘柄)につきましては、以下にてご確認ください。
当社では、取引時間中のお客さまの取引を全て売買監視対象として、空売り審査をおこなっており、一定時間おきに50単元以内に分割した数量を繰り返し発注した場合などは、価格規制を潜脱する目的をもった意図的な分割発注とみなし同規制の対象となりますので、十分にご注意ください。
50単元を超える信用新規売建て注文は、「価格規制ありの空売り」として金融商品取引所で空売りの価格チェックが行われ、価格規制に該当した注文はエラーとなり失効するため、空売り価格の判定が極めて容易に可能です。そのため、50単元超の信用新規売建て注文を発注する場合は、一度に発注して頂きますようお願いいたします。なお、50単元超の信用新規売建て注文が、数量削減訂正や一部約定により50単元以下となった場合も、継続して「価格規制ありの空売り」として取り扱わせて頂きます。
また、当社では50単元超の信用新規売建て注文について、成行注文ならびに執行条件に成行を含む注文は受付けておりません。あらかじめご了承頂きますようお願いいたします。
不公正取引
下記の禁止行為をよくご理解いただき、法令等に抵触することのないようお取引をお願いします。
不公正取引の禁止(金融商品取引法第157条関係)
金融商品取引市場の公正な価格形成を損なう行為(偽りをもって他の市場参加者を惑わせ取引に誘引するなど)を行ってはならないこととされています。
- 不正の手段、計画又は技巧をすること
- 重要な事項について虚偽の表示がある文書を使用するなどして金銭その他の財産を取得すること
- 取引誘引目的をもって、虚偽の相場を利用すること
風説の流布、偽計等の禁止(金融商品取引法第158条関係)
有価証券の募集や売出し、売買その他の取引等のために、あるいは有価証券等の相場の変動を図る目的で次の行為を 行ってはならないこととされています。
- 風説を流布すること
- 偽計を用いること
- 暴行もしくは脅迫を行うこと
相場操縦行為等の禁止(金融商品取引法第159条関係)
有価証券の売買のうちいずれかの取引が繁盛に行われていると他の市場参加者に誤解させる目的を持って 次の行為を行ってはならないこととされています。
■仮装売買
他の市場参加者に取引が繁盛に行われていると誤解させる目的をもって、同銘柄の売買注文を同時刻に同価格で発注する権利の移転を目的としない取引をすること
- ザラバ中に、同一銘柄の売りと買いを同一指値、双方あるいは一方を成行もしくは優先する価格で発注された場合
(優先する価格:売注文指値≦買注文指値) - 同一日において既に発注済であり、全出来になっていない注文と同一銘柄に、同一指値、優先する価格、あるいは成行での反対注文をされた場合
(優先する価格:売注文指値≦買注文指値)
■馴合売買
お客様Aが行う売付け又は買付けと同時刻に、それと同価格でお客様Bが同銘柄の買付け又は売付けを行うことをあらかじめAとBが通謀の上取引を行うこと
■株価固定
株価を上下どちらにも変動させない目的をもって、相場をくぎ付けにし、固定し、又は安定させるための売買をすること
■見せ玉
約定させる意思のない注文を発注し、その後訂正や取消を行い取引が繁盛であると他の市場参加者に誤解させ取引を誘引すること
■終値関与
立会終了付近の時間帯で、終値を操作する目的をもって取引を行うこと(関与率については、流動性の低い銘柄ほど高くなります)
■市場関与
株価を操作する目的をもってその日の出来高の多くを占める取引を行うこと(関与率については、流動性の低い銘柄ほど高くなります)
■買上がり(売り崩し)
株価を上げる(下げる)目的をもって買付け(売付け)を継続して行うことにより、取引が繁盛であると他の市場参加者に誤解させ取引を誘引すること
■高(安)値形成
株価を上げる(下げる)目的をもって、市場の上げ(下げ)にすかさず追随する買付け(売付け)を行うこと
先物取引の「見せ玉」に関する規制
■対象商品
日経225先物・日経225mini
■対象となる時間帯
始値・終値決定前の1分間
日中取引 | 8:不公正取引 44~8:45、15:14~15:15 |
---|---|
ナイトセッション | 16:29~16:30、5:29~5:30 |
■対象となる取消・訂正
予想対当値段よりも低い値段の売り注文又は高い値段の買い注文(売・買とも予想対当値段の注文を含む。)の取消及び予想対当値段よりも低い値段から高い値段への売り注文の訂正又は高い値段から低い値段への買い注文の訂正。
A.板寄せ直前における大口注文取消等
Aの対象となる訂正及び取消注文数量
右記以外の 対象時間帯 | 5:29~5:30 | |
---|---|---|
日経225先物 | 250単位(枚)以上 | 125単位(枚)以上 |
日経225mini | 500単位(枚)以上 | 250単位(枚)以上 |
B.1週間における約定に対して高い倍率の訂正・取消の繰り返し等
Bの対象となる訂正及び取消注文数量
不公正取引
右記以外の 対象時間帯 | 5:29~5:30 | |
---|---|---|
日経225先物 | 250単位(枚)未満 | 125単位(枚)未満 |
日経225mini | 500単位(枚)未満 | 250単位(枚)未満 |
空売り規制(金融商品取引法第162条関係)
空売りとは、有価証券を有しないで又は借り入れてその売付けを行うことですが、それを利用して売り崩し等が行われる恐れがあるので、次のような規制があります。
トリガー値段(当日の基準価格から10%以上低い価格)で約定が発生した直後から、その銘柄は「トリガー抵触銘柄」として価格規制の適用となります。
トリガーに抵触する銘柄の空売りを行う場合は、直近公表価格以下の価格で発注してはいけません。ただし直近公表価格がその直前の異なる価格を上回る場合は、直近公表価格と同値での発注は可能です。
- 取引時間中にトリガーに抵触すると、その時点から翌営業日の取引終了まで価格規制の対象となります。
- 個人投資家が行う50単元以内の信用新規売り注文につきましては、原則空売り価格規制の適用除外となりますが、寄付き前などに50単元以内の注文を複数回発注し、結果的に50単元を超えた場合は一口注文とみなし空売り価格規制の対象となることがありますのでご注意ください。
- 空売り価格規制を潜脱する目的で50単元以内の信用新規売りを分割して発注することは不公正取引の疑いをもたれることがありますのでご注意ください。
- 51単元以上の信用新規売りを発注される場合は、価格規制に抵触しない値段で一度に発注をして下さいますようお願いします。
内部者取引の禁止(金融商品取引法166条関係)
内部者取引(インサイダー取引)とは、例えば、上場会社の会社役員等の内部者情報に接する立場にある人(会社関係者)が、 その特別な立場を利用して会社の重要事実を知り、その情報が公表される前にこの会社の株式等を売買することなどをいい、法律で禁止 されています。
【注意】
会社関係者より重要事実を伝え聞いた者も、その情報が公表される前にその会社の株式等を売買することは禁止されています
■会社関係者
上場会社(親会社・子会社)の役員、代理人、使用人、その他の従業員等(パート・アルバイト含む)
なお、役員を退任後一年間は会社関係者とみなされます
■重要事実
上場会社等に関して、投資家の投資判断に著しい影響を及ぼすような事実
- 株式の発行や自己株式の取得等
- 資本金の額の減少
- 株式無償割当
- 株式分割
- 株式交換
- 株式移転
- 合併
- 事業の譲渡又は譲受け
- 新製品又は新技術の企業化
- 業務上の提携と解消
- 事業の休止又は廃止
- 災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害
- 主要株主(議決権の10%以上を保有)の異動
- 決算情報の変更 など
安藤証券では金融商品市場の公正性、透明性を図るため、又投資家の皆様より信頼していただける証券会社を目指し、上記の取引について毎日売買審査をおこない不公正取引の防止等に努めております。
相場操縦取引
①寄付き前に「約定させる意思のない成行買注文(見せ玉)」を100単位発注することで、予想対当値段を505円に引き上げる。併せて元の予想対当値段より5円高い505円に10単位の売注文を発注。
②Aの成行買注文(見せ玉)による予想対当値段の上昇を見て、寄付きの株価が上昇するものと誤解した第三者の買注文が発注されると、不要となった成行買注文(見せ玉)を寄付き直前に取消し。
③より高い値段(505円)で寄付きでの保有株売却に成功。
特殊見せ玉
①「約定させる意思のない引成売注文(特殊見せ玉)」を100単位発注して、引けの予想対当値段を現在値と同じ500円に下落させ、引けで株価が上昇しないように見せかけることで、第三者による新たな売買を手控えさせ、現在値(500円)で10単位を買付け。
②引け直前に、不要となった引成売注文(特殊見せ玉)を100単位から10単位に数量訂正することで、引けの予想対当値段が再び505円に上昇。
③あらかじめ500円で買い付けておいた10単位について、より高い値段(505円)で引けでの売却に成功。
相場操縦取引のFAQ
- 他の投資者が上場有価証券の売買を行いたくなる状況を作り出すことを目的として(誘引目的)、他の投資者にその上場有価証券の売買が活発であると誤解させるような一連の売買を行うこと。また、同じ目的をもって、その上場有価証券の相場を変動させることになる一連の売買を行うこと。
- 取引が活発であると誤解させるなど取引の状況について他の投資者に誤解を生じさせる目的をもって、権利の移転を目的としない売買(仮装売買)や他人と通謀した売買(不公正取引 馴合売買)を行うこと。
相場操縦に関して過去に発生した事件としては東証上場銘柄であった株式会社キャッツ株式についてのものがあります(平成16年8月「証券取引等監視委員会の活動状況」より)。
- その株価の高値形成を図り、同株券の売買を誘引する目的をもって、平成13年6月4日から同年7月18日までの間、Cが経営する会社等の名義で、証券会社を介し、
この結果、Aは懲役3年、執行猶予5年、追徴金約3億1,000万円(平成17年3月11日東京地裁)、B、C及びDはいずれも懲役2年6月、執行猶予4年、追徴金計約3億1,000万円(平成17年2月8日東京地裁)に処せられました。
Q2. 買い上がり
ある銘柄について上値を追うような指値により買付けを行い、その結果、株価が上昇した場合、相場操縦となりますか。 A2. 上値を追う買付けのみで相場操縦かどうかを判断することはできませんが、当法人では、例えば、こうした形態の買付けが反復継続していないか、執行時間が立会終了間際に集中していないか、銘柄の流動性や特性等を勘案して過当な数量ではないかなどの点を総合的に分析したうえで問題があるかどうかを判断しています。
上値を追うような買付けは、相場操縦の疑念が持たれる典型的な取引類型の一つであり、これまでにも、保有する有価証券の評価価額を高めるため意図的に価格を操作したと思われる事例などの中で、見受けられました。
したがって、こうした買付けが行われた場合には、発注・執行形態について問題性の検証を行うほか、証券会社を通じて、こうした注文を発注した者に価格を操作する事情があるかどうかについても確認しています。
なお、相場操縦の疑念が持たれる典型的な取引類型については、証券取引審議会不公正取引特別部会中間報告(平成4年1月20日)において以下の形態が指摘されています。
- 寄付き前から前日の終値より高い指値で買い注文を出す。
- ザラバの気配をみて、直近の値段より高い指値買い注文を出したり、買い注文の残りの指値を高く変更する。
- 時間を追って順次指値を1円刻みに高くした買い注文を出す。
- 比較的高い値段で仮装の売買をする。
- 買い指値注文により株価の値下がりをくい止める売買をする。
- 市場の上げにすかさず追随する買付け等を反復継続して行う。
- 市場関与率の状況
- 一日のうち最も重要な時間帯である終値付近での関与状況
- 一日における同一銘柄の売買の反復状況
Q3. 終値関与
決算期末である3月31日における終値の買付けを行ったところ、証券会社から注意を受けました。これは相場操縦に当たるのでしょうか。 A3. 終値は、上場会社株式の評価に使われる値段であるため、それが公正に形成されているかどうかが、より重要性を持つものとして認識されています。
このため、証券会社では終値が直前の値段よりも高くなっているような場合、特定の注文により終値が高くなっていないかどうかに注意を払っています。
もちろん、終値の買付けがすべて相場操縦に該当するわけではありませんが、A1でも示したとおり、特定の者により株価の引上げや下支えを意図したような買付けが反復継続して行われているような場合は、相場操縦に該当するおそれがあると考えられます。
また、多くの上場会社の決算期末である3月31日(及び各四半期末)においては、会計処理等との関係で、発行会社の大株主又は株式大量保有者には保有する株式の評価価値を引き上げたいとのインセンティブが働きやすい状況にあります。
こうしたことから、特に決算期末の終値には普段以上の注意が払われています。
Q4. 馴合売買
ある銘柄で、X日の寄付に「自分の売り-知人の買い」、X+1日の寄付に「知人の売り-自分の買い」を行いましたが、これは 金商法で禁止されている馴合売買になるのでしょうか。 A4. 馴合売買に該当するかは、知人との間であらかじめ通謀が行われているか、そして、発注・約定の形態などから取引が繁盛であると他の投資者に誤解を生じさせる目的をもって行われたものと認められるかによって判断されます。
このため、両者が同一の証券会社で売買を行うような場合には、証券会社では、注文の受注に当たって売買の目的などを確認するほか、このような顧客同士での売買が反復して行われていないか、当該売買の前後に意図的な株価への関与がないかなどを注意しています。
Q5. 作為的相場形成
「作為的相場形成」という言葉を聞いたことがありますが、相場操縦とは違うものなのでしょうか。 A5. 相場操縦を未然に防止するために、金商法第38条により証券会社に対する行為規制として定められているものが「作為的相場形成」に係る売買の禁止です。
具体的には、証券会社の役職員は、有価証券の相場を変動させ又は固定させる目的をもって売買を行うこと、また、有価証券の相場を変動させ又は固定させることになることを知りながら顧客からその有価証券の売買注文の受託をすることが禁止されています。
この場合、相場操縦とは異なり、他の投資者の売買を誘引する目的は必要ではなく、信用取引の乗換え価格、新株の発行価格等を有利な価格にするために、売買を行って人為的・意図的な相場を形成することが禁止されます。
作為的相場形成に関してこれまでに発生した行政処分の事案としては、ある証券会社が2か月間にわたり、特定の上場銘柄の株式について、顧客がこの銘柄の株価を引き上げることを意図して、直前の株価よりも高い指値の買付け注文を発注することなどにより、この銘柄の売買を行っていることを認識しながら、買付け注文等を受託、執行したというものがあります。
この結果、この証券会社では2週間にわたり、この顧客から注文を受注した支店の株券の売買に係る受託業務が停止されました。
Q6. 見せ玉
「見せ玉(みせぎょく)」とはどういうことですか。 A6. 「見せ玉」とは、他の投資者に相場が自然に形成されたと誤解させて売買取引に誘い込むことを目的として、約定させる意思のない買付け注文又は売付け注文を行うことです。
こうした目的で注文を発注する場合は、金商法第159条第2項第1号(相場を変動させるべき一連の売買等で発注のみの行為も含まれます。)に該当するおそれがあります。
- 自己の売付(買付)注文が約定した直後に、買付(売付)注文を全て取り消している。
- 指値の価格帯や発注の数量等が、買い板(売り板)を厚く見せかけ、他の市場参加者からの買付(売付)注文を誘引する効果を有するものとなっている。
- 上記行為を反復継続して行っている。
- 行為者の通常のディーリングの規模からして、過大な量の発注をしている。
- オーバーナイトで玉を持たない日計り商いをしている行為者が不成り買付注文を行っている。
- 直前約定値より上値で売付け注文を発注して、売り板を厚く見せることで第三者の売付け注文を誘引し、 不公正取引
- 第三者の売付け注文で株価が下落したところで、第三者の売付け注文に買い向かい有利な値段で約定して、
- その直後に(1)で発注した売付け注文を取り消す一方で、直前約定値よりも下値に買付け注文を発注して、買い板を厚く見せることで第三者の買付け注文を誘引し、
- 第三者の買付け注文で株価が上昇したところで、第三者の買付け注文に売り向かい有利な値段で約定するなどの取引等を繰り返し行いました。
このような行為が「見せ玉」(手法)を用いたものと判断された結果、この個人投資家には金融庁から159万円の課徴金の納付が命じられました。 不公正取引
Q7. 空売り
信用取引で1万株(100単位)の売り注文を発注しようと思います。5千株(50単位)ずつ2回に分割して発注すれば、空売り規制(価格制限)の適用除外になりますか。 A7. 個人投資家等が信用取引の売付けを行う場合において、売付けの数量が50単位以下であれば空売りの価格ルールの適用除外となりますが、この「売付けの数量」は個人投資家等が1回の注文で指示した数量となります。 不公正取引
したがって、このケースでは、2回に分割する注文の具体的な内容にもよりますが、同じ銘柄を同一価格の下で、単に50単位以下に分割して発注する場合は、たとえ発注時刻が異なっていたとしても別の注文と見ることはできず、価格ルールの適用除外には該当しないものと考えられます。
また、証券会社には、顧客に対して、価格制限を潜脱するような目的で意図的に分割して50単位以下で注文したとしても価格制限の適用除外として想定されている売付けに該当しないことを十分に周知することが求められています(金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針 証券会社等の市場仲介機能等の適切な発揮 IV-3-2-3(1)③イ)。
なお、50単位以下の成行注文と50単位以下の指値注文のように値段が異なる場合、前引けと大引けで50単位ずつといった注文を1回の指示で発注するような場合は、別の注文として価格ルールの適用除外になるものと考えられます。
Q8. 水増し注文
「水増し注文」とはどのようなものですか。 A8. 午後立会終了時にストップ配分となることがほぼ確定的になった銘柄において、より多くの配分を受けることを目的として約定する意思のない数量の注文を発注することがいわゆる「水増し注文」です。
水増し注文は、需給関係を歪め市場の公正性を阻害するおそれがあるうえ、ストップ配分時に本来であれば配分されるべき数量が他の投資者に配分されなくなるため、投資者間の公平性を阻害することになります。
当法人では、こうした水増し注文については、実需を前提に公平な配分を実現するものとして設けているストップ配分制度を悪用するものであり、特に証券会社が自己の注文について水増し注文を行う場合には、取引参加者規程第42条に規定する取引の信義則に反する行為(詐欺的な行為、不信・不穏当な行為、著しく不注意・怠慢な事務処理)と考えています。
したがって、証券会社では、顧客に対して全量執行の意思や水増し注文でない旨の確認などをさせていただくことがあります。
Q9. 風説の流布
風説の流布とはどういうことですか。 A9. 風説の流布とは、有価証券の売買のため、また、有価証券の相場の変動を図るために、証券取引や会社情報に関し、事実と異なる情報を流すことや合理的な根拠のない情報を流すことです。
最近、インターネット上の掲示板、チャットルーム、ニュースレター等において、上場会社や証券市場等について、「風説」と思われるような情報が掲載されている状況が散見されております。
これらの行為は、金融商品取引法で禁止されている風説の流布に抵触するおそれがあります。
また、このような情報は、面白半分に、あるいは自己の利益を図るために、掲載されている場合が少なくなく、そうした情報のみに基づいて投資判断を行うことは、場合によって不測の損害をこうむることにつながりかねません。
そのため、投資判断を行うにあたってはインターネット上で流布されている情報だけを信頼するのではなく、有価証券報告書や上場会社からの公表資料等他の情報源でその真偽を確認することが何よりも肝要です。
Q10. 風説の流布の事例
風説の流布が行われた事例としてはどのようなものがありますか。 A10. 証券取引等監視委員会が告発した事件(平成14年11月29日)として、次のものがあります(平成15年8月「証券取引等監視委員会の活動状況」より)。
Aは、B社の株券について、あらかじめインターネット上で募集した会員に対し、売買を推奨する内容虚偽のメールを送信して相場の変動を企てました。
そこで、数10名の会員に対し、「会社の存立を左右するような悪材料があるから明日の寄付きで売り注文を出してください」などと記載した内容虚偽の電子メールを送信し、その翌日、悪材料が偽りであったとして買戻しを指示する電子メールを送信しました。
これによってAは、株価が上がったところで自分が保有していた十数株を売り抜け、数十万円の利益を得ていました。
損をした会員の投資家からの情報が証券取引等監視委員会に寄せられ事件が発覚し、裁判の結果、Aは、罰金30万円、追徴金約36万円に処せられました。
【日本株】不公正取引について
このような取引は、脱税やマネー・ロンダリングといった行為の温床となる可能性があることや、相場操縦などの不公正取引に利用される可能性があり、法令諸規則等により委託および受託を禁止されています。
また、当社ではインターネット取引であるという事情を勘案して、お客様の口座番号およびパスワードはお客様ご本人で厳格に管理していただくことをお願いするとともに、ご本人様以外の方のご使用については堅くお断りさせていただきます。
なお、当社では口座名義人以外の方が取引を行っている疑いがある場合には、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(犯罪収益移転防止法)に基づき、電話等によるお客様への確認を実施させていただいております。
【仮名取引のおそれがある事例】
- 架空の名義で口座を開設し、取引をしているようなケース。
- 他人の名義を勝手に利用して口座を開設し、取引をしているようなケース。
【借名取引のおそれがある事例】
- 家族や友人から取引を全て一任されているようなケース(口座の名義人の方が投資判断を行っていないケース)。
- 数人のお客様で一つの口座を利用して取引をしているようなケース。
4. 空売り規制
■トリガー価格抵触前
上昇局面、下降局面のいずれにおいても、価格規制は適用されません。
※「成行」及び「当日基準価格から10%以上低い価格での指値(トリガー抵触後で、直近公表価格以上の指値の場合は除く)」での51単元以上の空売り注文は発注することができません。
■トリガー価格抵触後
上昇局面においては、直近公表価格よりも「低い価格」の空売りは不可。
下降局面においては、直近公表価格と「同値」又はそれよりも「低い価格」の空売りは不可。
※価格規制に抵触した場合、取引所において「エラー(失効)」扱いとなります。
- 1. 「空売り価格規制」は、信用新規売り51単元以上の注文に適用されます(適格機関投資家の場合は1単元から適用)。
- 2. トリガー価格抵触の有無にかかわらず、信用新規売り51単元以上の「成行」注文は発注できません。
- 3. トリガー価格抵触前であっても、信用新規売り51単元以上のトリガー価格以下の指値注文は「失効」となります。
- 4. 「空売り価格規制」適用期間(トリガー抵触銘柄として扱われる期間)は、トリガー価格抵触直後から翌営業日の取引終了時点までとなります(翌営業日に再びトリガー価格に抵触した場合、翌々営業日の取引終了時点までとなります)。
<規制潜脱目的とみなされるおそれのある取引事例>
① トリガー抵触銘柄を、短時間のうちに、20単元の信用新規売り注文を成行で3回発注した。
② トリガー抵触銘柄を、株価下落局面において、短時間のうちに、30単元と25単元の信用新規売り注文を直近公表価格よりも低い指値で連続して発注した。
当社では、規制逸脱目的の空売り分割発注を未然防止する観点から、以下のような受注制限を行っております。
最初に出した50単元以下の空売り注文Aが有効(未約定)である状況で、次に出す空売り注文Bとの合計数量が51単元以上となる場合、トリガー抵触の有無に関わらず、注文Bは受注制限の対象となります。
ただし、注文Aと注文Bの合計数量が50単元以下となる場合、または、注文Bが51単元以上である場合には注文Bを受注いたします。
- 7. 発注時にはトリガー価格に抵触していなかった銘柄の空売りが、結果的にトリガー価格に抵触した後に約定した場合についても、「空売り価格規制」の対象となります。
- 8. 保有株の損失回避や利益確定を目的として行う空売り、いわゆる「つなぎ売り」についても「空売り価格規制」の対象となります。
- 9. 法令により、公募増資等の公表後から発行価格決定までの間に空売り(信用新規売り)を行った場合に、当該増資等に応じて取得した新株等により空売りポジションの解消(現渡しによる決済)を行うことが禁止されています。
トリガー価格抵触後における価格規制の具体的事例
5. 内部者取引(インサイダー取引)
内部者登録が必要となるお客さまの範囲
- 1. 上場会社等の役員
- 上場会社等の取締役、会計参与、監査役または執行役
- 上場投資法人等の執行役員または監督役員
- 上場投資法人等の資産運用会社の取締役、会計参与、監査役または執行役
- 「上場会社等の役員」の配偶者及び同居者
- 直近の有価証券報告書、半期報告書または四半期報告書に記載されている大株主
- 上場会社等または上場投資法人等の資産運用会社の使用人その他従業員のうち執行役員(上場投資法人等の執行役員を除く)その他役員に準ずる役職の方
- 上記1.を退任後、1年以内の方
- 上場会社等の親会社または特定関係法人の役員、会計参与、監査役、執行役または執行役員その他役員に準ずる役職の方
- 上場会社等の親会社または特定関係法人の職員のうち重要事実を知り得る可能性の高い部署に所属する方(財務部・経営企画部・社長室・人事部・商品開発部等)
- 上記を退任、退職後1年以内の方
- 上場会社等の子会社の役員、会計参与、監査役、執行役または執行役員その他役員に準ずる役職の方
- 上場会社等の子会社の職員のうち重要事実を知り得る可能性の高い部署に所属する方(財務部・経営企画部・社長室・人事部・商品開発部等)
- 上記を退任、退職後1年以内の方
- 上場会社等または上場投資法人等の資産運用会社の職員のうち重要事実を知り得る可能性の高い部署の所属する方(財務部・経営企画部・社長室・人事部・商品開発部等)
- 上記を退任、退職後1年以内の方
- 上場会社等または上場投資法人等の資産運用会社の従業員の方(契約社員、派遣社員、パートタイマー、アルバイト等を含む)
- 退職後1年以内の方
- 上場会社等の親会社もしくは子会社、特定関係法人の従業員の方
- 上記を退職後1年以内の方
- 上場会社等の親会社もしくは子会社、または特定関係法人(※法人口座のみ)
- 顧問、相談役等
- 顧問弁護士、担当公認会計士、許認可権限等を有する公務員等
- 役員以外の配偶者や同居者
- ※ 不公正取引 不公正取引 上記、対象のお客さまは、当社Webサイトにて内部者登録をお願いいたします。
- ※ 対象のお客さまで内部者登録のない場合には、当社にて内部者登録をさせていただくことがあります。
なお、お客さまの属性等について、当社より確認させていただく場合がございます。
上場法人の自己株式売買について
内部者取引に該当しないケース
- 1. 会社が提出した有価証券報告書や臨時報告書等に重要事実が記載されている場合において、これらの書類が公衆縦覧されたこと。
- 2. 会社の代表取締役等が、重要事実を一般新聞紙やNHK等2つ以上の報道機関に公開し、かつ12時間以上経過したこと。ただし、取引所のインターネットホームページによって公表された場合は、周知期間は必要ありません。
- 3. 従業員(役員)持株会を通じた継続的な買付け等、適用除外となる売買
上場会社役員および主要株主の売買に関する留意事項
- 1. 上場会社役員及び主要株主の売買報告書の提出義務について
インサイダー取引未然防止のため発行会社の役員(監査役を含む)、主要株主(総株主等の議決権の10%以上を実質的に保有する株主)が当該会社の発行する特定有価証券等の売買を行った場合、売買のあった日の属する月の翌月15日までに売買を委託した金融商品取引業者を経由して、「役員又は主要株主の売買報告書」を内閣総理大臣(金融庁長官)宛てに提出することが義務付けられております。
当社にて上場会社等の役員として内部者登録をされているお客様および大株主として内部者登録されている方のうち主要株主に該当するお客様には、該当する特定有価証券等の売買を行った際に、当社より「役員又は主要株主の売買報告書」の提出に必要なお手続きをご案内させていただきます。 - 2. 短期売買による利益返還請求
上場会社等の役員又は主要株主が、当該上場会社等の株式等を6か月以内売買し利益を得た場合には、当該上場会社等は、その役員又は主要株主に対して、その利益を会社に提供するよう請求することができます。この制度は、上場会社等の役員は又は主要株主がその職務又は地位によって知った内部情報を不当に利用して利益を得ることを防止するためのものです。 - 3. 保有有価証券を超えた空売りの禁止
上場会社等の役員又は主要株主は、保有する当該上場会社等の株式等の額を越えて売付(空売り)を行うことが禁止されています。この制度は、上場会社等の役員又は主要株主は、当該上場会社等の未公表情報(株価が下落するような情報)を容易に知り得る特別な立場にあり、その情報を利用した空売りが行われることを防止するためのものです。
6. 安定操作期間中の買付等の制限
- 1. 安定操作取引又はその受託をした金融商品取引業者に係る規制として、当該銘柄の株券等に関し、安定操作期間中、安定操作取引が行われた旨を表示しないで行う買付の受託、もしくは売付又は当該有価証券の売買取引に係るオプション取引の受託(の一部)をする行為は禁止されています。
- 2. 金融商品取引業者では、当該銘柄の株券等の安定操作期間内における買付等に関し、次の行為が禁止されています。
- 安定操作取引に係る有価証券の発行者であることを知りながら、当該会社から安定操作期間内に執行することを条件とする買付の受託
- 安定操作取引の委託をすることができる者であることを知りながら、その者から安定操作期間内に執行することを条件とする買付の受託(安定操作取引を除く)
- 安定操作取引が行われていることを知りながら、その旨を表示しないで行う株券等の買付の受託又は売付
- マーケットメイカーが当該銘柄の発行会社と元引受契約を締結しようとする場合の当該銘柄の株券等の買い気配等の公表
7. 不公正取引に関する罰則等について
■相場操縦
相場操縦的行為等の不公正取引を行った者には、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方が科せられる恐れがあります。
また、財産上の利益を得る目的で相場操縦的行為を行い、その影響を受けた相場において取引を行った場合には、10年以下の懲役および3000万円以下の罰金が科せられる恐れがあります。
また、相場操縦的行為によって得た財産は、没収対象となります。
なお、法人名義で上記行為が行われた場合には、取引を行った行為者(個人)だけでなく、その法人に対しても7億円以下の罰金が科せられる恐れがあります。■空売り価格規制
「空売り価格規制」に違反した場合には、30万円以下の過料が課される場合がございます。■インサイダー取引
インサイダー取引を行った者には、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方が科せられる恐れがあります。
また、インサイダー取引によって得た財産は、没収対象となります。
なお、法人名義で上記行為が行われた場合には、犯罪を行った法人関係者(個人)だけでなく、その法人に対しても5億円以下の罰金が科せられる恐れがあります。関連記事
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