国際的詐欺事件について(注意喚起)
各国の政府・軍・公社の高官、元高官やその親族と名乗る人物が、秘密資金の海外送金のために、貴方の口座を貸してほしいと持ちかけます。謝礼として、送金資金の一部を提供すると続きます。
コンタクトの理由は、過去の先方国でのビジネス実績、自社を知る知人の紹介など。
資金移送のための手数料等と称して、資金(1回につき数千~数万ドル)を先方の指定する口座に振り込むよう繰り返し指示され、数回~十数回振り込むと連絡が途絶えます。
上記「マネーロンダリング型」と呼ばれる詐欺の他、以下のような派生手口も報告されています。
- 宝くじに当選し、当選金の受け取りには手数料が必要と称して金を騙し取ろうとする「インターネット宝くじ型」
- 黒く塗りつぶされた米ドル紙幣(黒紙幣)を目の前で元通りにする手品を見せて相手を信用させ、特殊塗料の洗浄液の入手を名目に多額の手数料や代金を詐取する「黒紙幣型」。
日本国内や在留邦人が多いアジア諸国での報告事例が複数あり。 - 海外の見知らぬ人物から、死亡した親族や知人、顧客が残した多額の遺産の相続や寄付、投資を持ちかけられ、その送金にかかる各種手数料や工作資金、税金の納付といった様々な名目で前渡金を詐取される「遺産相続型」。死亡者については実在の人物を騙り、亡くなった事故や事件、紛争のニュース記事を引用して信用させるなど巧妙な手口を取る。時には新聞やWebニュース等に掲載された死亡広告の引用や偽造も見られる。
むやみに誘いに対して反応・返答しないことが第一です。断りのメールも返信の必要はありません。むやみに反応すると、メールアドレスが有効なものである事を相手に伝え、「この様な誘いでも目を通して律儀に反応してくれる詐欺被害者予備軍」と認識され様々な詐欺メールが送られてくるようになります。
万一返答を送ってやり取りを進めてしまっている段階で詐欺であると気付いた場合、その後一切先方へ返信・連絡しないでください。理由をつけて断りを入れると、その理由を除去するため「詐欺ではない」と言葉巧みにアプローチが続きます。しばらく相手にしなければ、「時間の無駄」と相手からのアプローチも無くなります。
先方から手数料を要求され、どうしても諦めきれない場合は、先方に手数料分報酬を減額してもよいのでこちらからは一切送金は行わないと突っぱねましょう。巨額の報酬の送金を持ちかけている人が、手数料の負担も出来ないと話しているのはおかしな事です。
先方から送金のために、口座番号とパスワード(暗証番号)等が必要と言われても絶対に教えてはいけません。教えたために自身の口座残高をすべて引き出されてしまったケースもあります。
2. 架空貿易取引型詐欺
【具体的な手口】
Webやダイレクトリー、ビジネスマッチングサイトやオークションサイトで会社概要や製品を見た、人づてに貴社の評判を聞いたなどとして接触し、通常の貿易取引を装いつつ多種多様な製品の大量発注を持ちかけてきます。
決済手段としては、政府の為替規制を言い立て現金(電信為替)後払い、または先方国や欧米系の大手銀行の小切手を用いることがあります。後者については商品発送前に輸出業者に届きますが、 商品発送後に銀行に持ち込むと、偽造・盗難小切手と判明、決済不能となります。
荷足の速い国際宅配便利用を条件に、その送り状(Airway Bill)コピーをFAXすれば24時間以内に電信為替送金するとし、実際には送金せずに商品を詐取する事例も見られます。
さらに、当該国では国外輸出が禁じられている大量の中古レールの横流し売買など、違法性の高いハイリスク、ハイリターンの取引を持ち掛ける事例もあります。
いずれも、大型商談であることをエサに、輸入手続や決済外貨の準備、契約書作成時の印紙代等で当座の資金が必要と、前渡し金を繰り返し要求してきます。先方指定口座に数回~十数回振り込むと連絡が途絶します。
商談名目で渡航させ、拉致監禁して身代金を要求したり、渡航者が殺害された事例も過去にはあります。 引き合いに際し、「大量注文を検討したいので」、「見本市に出品するため」、「政府の外貨割り当てを受けるため」などと称して、サンプル送付を要求し、詐取するケースも見られます。対象となる商材は小型の高額商品(高級家電等)が多いのが特徴です。
最近では、インターネットオークションの出品物に対して、オークション場外での好条件の直取引を質問フォーム等から持ちかけ、代金を支払わず、個人から商品を搾取する事例も出ています。
決済方法は現金前受け、前金の電信為替振り込みとします。
偽造・盗難小切手による被害もあるため、小切手での決済は避けます。
先方前払いでは交渉がまとまらない場合、信用状(L/C)を使用することとして、L/Cは「Confirmed Irrevocable L/C」(確認付き取り消し不能信用状)に基づき行い、開設銀行は信用ある欧米系大手銀行を指定します。さらに入金の確認は自分で行い、支払いが確実となってから商品を発送します。
先方から送金や契約等の手数料を要求され、どうしても諦めきれない場合は、先方に手数料分代金を割引するので、こちらからは一切送金は行わないと突っぱねましょう。
本物の貿易取引であるか真偽を判断するために、相手側の信用調査(信用調査会社の利用、メインバンクへの相談、国際的な企業データベースでの確認等)は有効な手段になり得ます。特に治安の悪い国に出向いて商談を行う際には、その必要性を十分に検討し、相手側の信用と現地治安情勢を慎重に確認し、日本外務省の旅レジにも登録の上で行うようにしましょう。また、詐欺団が信用のある企業名を語ってアプローチをしてくる場合もありますので、Web等で公開されている企業の本支社の所在地や電話番号等から本人にコンタクトが取れるかどうか、本人と名乗る人物が在籍するか、また商談途中で企業名や連絡先が変更されないか等を確認するなど、注意が必要です。
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