【簡単図解】減価償却がわかれば資金繰りがわかる!減価償却と借入金とキャッシュフローの関係
ただ、支出時に一括費用計上をした場合に、それをカバーできるだけの収入があれば、取得時に取得原価分だけ利益が減少し、税金や利益処分による社外流出が防げるので、長期的には、減価償却をした場合と効果は変わりません。しかし、取得原価が多額である場合で、それを一括費用計上したことにより損失が出た場合は、対応する内部に留保すべき資金(収益)がないので内部留保効果は発揮されません。配分された減価償却費のほうが毎年ちょっとずつの費用が計上されるので、この効果を得られやすくなります。ただ、損失が出た年はこの効果はなくなります。(繰越欠損金の期限内で将来利益が出たときに節税効果はありますが。)
あくまでも、この減価償却費計上による自己金融効果や節税効果は、利益の出ている会計期間において、結果的に得られる効果です。
ただ、この効果を知っていると、 利益が出ている前提で 、減価償却費分はまるまる現金として社内に残るので、借入金で減価償却を購入した場合の資金繰り計画に役に立ちます。
減価償却費分を、借入金の返済の資金源にできるのです。
借入金と減価償却とキャッシュの関係
「利益 +減価償却費 」の金額で、借入金を何年で返済できるか?をチェックする債務償還年数というものがあります。(利益は、営業利益だったり、税引後当期純利益だったり、場合によって異なります)
借入金の返済は費用ではない
借入金の返済は、実際に現金の支出を伴いますが、会社の経営成績とは関係ないので、財務状態を表す貸借対照表に残高が計上されているだけで、経営成績を表す損益計算書に費用として載ってきません。(支払利息は、営業外費用としてPLに計上されます)
減価償却が支出を伴わない費用で、借入金の返済は費用として計上されな支出で、逆の性格を持っています。
これは、損益と収支がズレる大きな原因で、今後、キャッシュフロー計算書を理解する上でとても重要なポイントです。
上記のように、ざっくりいうと、「利益+減価償却費」が借入金の返済の資金源になります。
借入金で有形固定資産を購入した場合
有形固定資産は、毎期減価償却費計上により、資金が社内に残る。
→その減価償却費により社内に残った資金で借入金を返済する。
このように、(損失が出ていない場合は)減価償却費を計上することにより毎期安定的な返済資金を確保できます。借入金にて有形固定資産を購入する際は、利益と減価償却期間と返済期間のバランスを考える必要がありますね。
もし減価償却がなかったら
簡易キャッシュフローとEBITDA
簡易キャッシュフロー
簡易キャッシュフローは、先ほどの債務償還年数を算定するのにも用いられた 「利益+減価償却費」 で求められます。
「税引後利益+減価償却費」だったり、「営業利益+減価償却費-法人税」だったり、使用目的等によっても計算方法は様々ですが、基本は 「利益+減価償却費」を」アレンジしていきます。
簡易キャッシュフローは、会社が投資や借入金の返済に回せる事業から得た資金を簡易的に求めたものです。
EBITDA
EBITAはEarning Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略で、支払利息と税金を控除前の利益に減価償却費を足したものです。
ざっくりいうと、「営業利益+減価償却費」で、先ほどの簡易キャッシュフローと同様、事業で儲けたキャッシュを簡易的に求める指標です。
減価償却自体は資金を生み出さない
事業から得たキャッシュが「利益+減価償却費」なので、減価償却費を計上したら資金を生み出す魔法のような錯覚が生まれますが、非現金支出費用である減価償却費の計上により、稼いだ資金を社外に流出するのを防ぐ効果があるだけです。資金を稼がなくてはその効果も得られません。
減価償却費とキャッシュフロー計算書の関係
「利益+減価償却費」で求めるということがわかりました。「利益+減価償却費」はキャッシュフロー計算書を作成する上で基礎となる重要なポイントです。
固定資産税とは、市町村税と道府県税からなる「地方税」の1種です。市町村税の税収のうち約4割を占めており、地方自治体にとって重要な歳入源となっています。以下では固定資産税の概要や課税対象、計算方法を解説します。
固定資産税の概要
固定資産税の課税対象
課税対象①土地や家屋
課税対象になる土地・家屋の具体例は次のとおりです。参考:「静岡市 償却資産に対する課税」その他市区町村の公式ホームページ
課税対象②償却資産
償却資産の対象になる固定資産は次のとおりです。参考:「静岡市 償却資産に対する課税」その他市区町村の公式ホームページ
固定資産税の計算方法
土地や家屋の場合
土地・家屋にかかる固定資産税の計算式は、原則として次のとおりです。土地・家屋の課税標準額(税金計算のもとになる金額)は、総務大臣が定めた基準に基づいて、当該市区町村の長が算出した評価額が適用されます。評価額は評価替えによって、3年に1回は見直されます。
償却資産の場合
償却資産にかかる固定資産税の計算式は、原則として次のとおりです。計算のもとになる固定資産税評価額は、「償却資産の取得年月」「取得価額」「耐用年数」などに基づいて、経過年数に応じた価値の減少を考慮して算出されます。
評価額の計算は、当該償却資産を「前年に取得したか」または「前年より前に取得したか」によって式が異なります。原則として、前年に取得した償却資産は、評価額を2分の1にします。適用する税率は、土地・家屋と同じく市区町村ごとに定められた数値を適用します。
償却資産の免税点は150万円です。
都市計画税とは?
都市計画税は、固定資産税と同じく一定の固定資産に課せられる税金です。固定資産税とは、納税対象者や税率などが違っています。
コメント