フリーキャッシュフロー|プラスの意味・マイナスの意味
「キャッシュフロー」とはお金の流れのことで、「キャッシュフロー計算書」とは、会社がどのようにお金を得てどのように使ったのかをまとめた表です。
キャッシュフロー計算書は、上場企業にはルールによって作成が義務づけられていますが、中小企業には作成は義務づけられていません。
しかし、キャッシュフロー計算書は、損益計算書では分からない企業のキャッシュフローに関する情報を入手することができ、キャッシュの動きそのものを把握することができるので、作成義務はなくても中小企業にこそ、大変有益な書類ということができます。
②投資活動によるキャッシュフロー
設備投資や企業買収など将来に向けた投資によるキャッシュフリーや、余剰資金の運用における投資とその回収によるキャッシュフローが記載されます。
(1)フリーキャッシュフローの計算方法
フリーキャッシュフローの計算方法はいくつか考えられますが、最も簡単なのは、「営業活動によるキャッシュフロー」から「現事業維持のための設備投資等」を差し引く方法です。
「フリーキャッシュフロー」= 「営業活動によるキャッシュフロー」-「現事業維持のための設備投資等」 |
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会社を成長させるためには、新たな設備を導入したりすでに持っている設備を継続して維持したりといったことが必要となります。特に、モノをつくる会社では、設備投資にそれなりの資金が必要です。
ただし、本業で稼いだ営業キャッシュフローをまるまる自由に使えるわけではありません。
そこで、 フリーキャッシュフロー このように会社を経営するうえで必要な設備投資の支出を差し引いたお金が、最終的に会社の手元に残ったお金が自由に使えるお金であり、「フリーキャッシュフロー」ということになります。
(2)フリーキャッシュフローから分かること
フリーキャッシュフローは、稼いだお金のうち自由に使うことができる部分であり、企業価値の源泉ともいえるものなので、 フリーキャッシュフローがプラスなら、本業の稼ぎで投資を賄えていてうまく経営されているといえますし、多ければ多いほどよい ということになります。
(3)フリーキャッシュフローがプラスの意味
②新規事業への投資
株主に分配せずに、さらに事業を成長させるために新規事業などへの投資資金として使うという選択肢もあります。将来の成長戦略を株主に説明し、理解を得られることができれば、新規事業への投資にフリーキャッシュフローを使うことを認めてもらうことができるでしょう。
(4)フリーキャッシュフローがマイナスの意味
(5)キャッシュフローを改善させるためには
いわゆる黒字倒産のリスクがある会社は、この営業キャッシュフローのマイナスが続くケースが実に多いのです。
たとえば、売上の回収が遅れている場合には、営業キャッシュフローの中の「売上債権の増減額」という項目は大きくマイナスになっていることがあります。これは、売上の代金が回収できていないことを示します。
また、「棚卸資産の増減額」という項目がマイナスになっている場合には、モノが売れず社内に残っていることを意味します。
このような場合には営業キャッシュフローのなかの項目をチェックし、売上代金の回収を計画的に行ったり、在庫を売ってお金に換えたりすることで、フリーキャッシュフローに余裕ができ、資金繰りの悪化を防ぐことができます。
日々の事業のなかで、どの程度の期間キャッシュが必要となっているのかを見る指標としてCCC(=Cash Conversion Cycleキャッシュ・コンバージョン・サイクル)があります。
CCC=売上債権回転期間+棚卸資産回転期間-仕入債務回転期間 |
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自社のフリーキャッシュフローを把握し、問題点がある場合には、早めに対策を行うことで、黒字倒産などの事態を回避することができます。
キャッシュフロー計算書は、中小企業にはキャッシュフロー計算書の作成は義務づけられてはいませんが、税理士に依頼すれば、作成してもらうことができます。
自社のキャッシュフローを把握し問題点に迅速に対応するためにも、税理士にキャッシュフロー計算書の作成や分析を依頼してみてはいかがでしょうか。
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