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キャッシュフローとは
キャッシュフロー計算書とは?
一般的に黒字経営を行っている会社は、会社の経営が健全であると考えられています。しかし、「黒字倒産」や「勘定あって銭足らず」といった言葉に代表されるとおり、黒字であっても資金がショート(不足)すると会社は倒産してしまいます。
そのため、会社経営においては、売上高や営業利益を管理するのと同じようにキャッシュフローの状況も管理することが重要です。
しかし、企業の決算発表をみても売上高・営業利益・経常利益について報道されることがあってもキャッシュフロー計算書について取り上げられることは多くありません。また、上場企業はキャッシュフロー計算書の作成が義務付けられていますが、非上場企業は作成が必須ではなくキャッシュフロー計算書を作成している会社は多くありません。それによりキャッシュフロー計算書が一般にはあまり浸透していないのが実情です。
キャッシュフロー計算書の目的
キャッシュフロー計算書のメリット
キャッシュフロー計算書の読み方
営業活動によるキャッシュフロー
- 商品やサービスの販売による収入(+)
- 商品やサービスの購入による支出(△)
- 人件費の支払による支出(△)
- 経費の支払による支出(△)
投資活動によるキャッシュフロー
- 建物や機械装置などの有形固定資産の取得による支出(△)
- ソフトウェアなど無形固定資産の取得による支出(△)
- 有形固定資産や無形固定資産の売却による収入(+)
- 株式などの有価証券の取得による支出(△)
- 有価証券の売却による収入(+)
財務活動によるキャッシュフロー
- 借入による収入(+)
- 借入金の返済による支出(△)
- 株式の発行による収入(+)
- 配当金の支払による支出(△)
キャッシュフローの種類(直接法、間接法)
直接法によるキャッシュフロー計算書
間接法によるキャッシュフロー計算書
フリーキャッシュフローとは?
キャッシュフロー計算書の分析方法
企業が安定ステージにあるケース(営業活動+、投資活動△、財務活動△の場合)
企業が成長ステージにあるケース(営業活動+、投資活動△、財務活動+の場合)
企業が事業再構築ステージにあるケース(営業活動+、投資活動+、財務活動△の場合)
財務三表の関係性
キャッシュフロー計算書に「貸借対照表」「損益計算書」を加えて財務三表といわれることがあります。キャッシュフロー計算書と貸借対照表の関係は、貸借対照表の現金・預金などについて、前期末と当期末の差額を「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」の3つに区分したものがキャッシュフロー計算書となります。
また、キャッシュフロー計算書と損益計算書は、ともに資金の状況や損益の状況といった1年間のフローの情報を表した財務諸表という点で共通します。一方でキャッシュフロー計算書は1年間の「収支」を表した財務諸表であり、損益計算書は収支とは切り離された1年間の「損益」の状況を表した財務諸表という点で異なります。
多くの会社では、損益計算書で計算される税金等調整前当期純利益を出発点として、必要な項目を加減算することでキャッシュフロー計算書を作成しています。
執筆者プロフィール:
若原芳治(税理士)
若原会計事務所 事務所長、合同会社ワン・プロフェッショナルズ 業務執行社員、公認会計士・税理士。
2002年 キャッシュフローとは 有限責任監査法人トーマツ名古屋事務所に入所。約15年間にわたり金融機関を中心に延べ100社以上の様々なジョブに関与してきました。資金繰りに悩む経営者の助けになりたいと思い2019年に地元の愛知県で若原会計事務所を本格的に開業しました。また2020年から合同会社ワン・プロフェッショナルズに参画しています。実務経験を活かして、税務業務を中心に事業再生、事業承継、M&Aなど中小企業や個人事業主の最も身近な相談相手となるべく活動しています。
営業キャッシュフローは嘘をつかない
38万部超のベストセラー 『餃子屋と高級フレンチ』シリーズでおなじみの会計士・林總氏の最新刊『たった10日で決算書がプロ並みに読めるようになる! 会計の教室』がダイヤモンド社から発売に。本連載では、同書の中から抜粋して 決算書を読み解くために必要な基本の知識をお伝えします。 登場人物は、林教授と生徒の川村カノンの2人。知識ゼロから始めて、決算書を読み解くスキルを身につけていくのか? 川村カノンになったつもりで、本連載にお付き合いください。好評連載のバックナンバーはこちらからどうぞ。
Photo: Adobe Stock
利益は誤魔化せても、
営業キャッシュフローは増やせない
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カノン 先生、D社の何が気になるのでしょうか?
林教授 営業キャッシュフローがマイナスということは、得意先が代金を支払えないのかもしれないね。最悪の事態として、架空の売上を計上しているかもしれない。
カノン 架空売上ってなんですか?
林教授 学校の成績が40点なのに、親に嘘をついて80点だと伝えるようなものだ。
カノン そんな嘘なんか、すぐにバレると思いますけど。
林教授 利益を誤魔化しても営業キャッシュフローは増やせない。誤魔化せないんだよ。なぜなら、キャッシュフローは嘘をつかないからね。
カノン 先生、アクルーアルがマイナスのA社やC社についても説明していただけないでしょうか。なかでもA社が気になります。
林教授 なるほど、君は、アクルーアルを機械的に適用することの危険性に気づいたようだね。税引き後当期純利益はマイナス100で営業キャッシュフローもマイナス50だ。この数字から会社は火の車であることはわかる。だがアクルーアルはマイナス50だ。
キャッシュフローとは?経営者なら知っておきたいキャッシュフローの基礎知識
製品を販売する場合を考えると、キャッシュフローでは、実際のキャッシュの動きに着目するため、代金を回収した時にキャッシュインとして計上します。
一方で、利益計算では、納品という実態を優先させて、納品時に売上として計上します。
通常、製品を販売した際の代金の回収は、納品したときよりも1か月以上遅れる場合がほとんどです。
納品時と代金回収時がずれるため、キャッシュフローと利益計算では売上の計上時期がずれてしまいます。
4月に100万円の製品を販売・納品した。
5月末に100万円の代金を回収した。
⇒
キャッシュフローでは5月に売上を計上する。
利益計算では4月に売上を計上する。
②設備投資に係る経費の計上方法
設備投資について、キャッシュフローではその代金の支払いの時にキャッシュアウトとして計上します。
一方で、利益計算では、設備投資に係る資産は、通常長い年度にわたって使用されるという実態を反映し、その耐用年数にわたって、その代金を分割して経費に計上します。
この考え方を減価償却といいます。
そのため、キャッシュフローと利益計算で違いが生じます。
・利益計算
減価償却という考え方に従って、あらかじめ決まっている耐用年数により、その年に計上される経費の金額が決まる。
例えば耐用年数を6年とすると、1年あたり5 0万円(=300万円÷6年)が6年にわたって経費となる。
③銀行借入とその返済
融資を受けた際にはキャッシュは増え、返済をした際にはキャッシュは減ります。
そのため、借入はキャッシュインとして、返済はキャッシュアウトとして計上します。
しかし、融資の借入と返済は、帳簿上の会社の儲けとは関係ないので、利益計算では、借入と返済は織り込みません。
④会計処理により利益が変わる
キャッシュフローは、入出金無しに預金残高が自由に動かせないように、一意的にその金額が決まります。
しかし、利益計算では、その根拠となる会計処理が会社の経営実態を適切に反映するために複数の処理が認められている場合があります。
そのため、どの会計処理を採用するかによって利益の金額は変わってしまいます。
・定額法 300万円÷法定耐用年数6年=50万円
・定率法 300万円×法定償却率0.417=125.1万円
1-3.利益をあげている会社が倒産する3つの原因
利益計算では黒字なのに、倒産してしまうことを黒字倒産といいます。
なぜ、利益をあげているのに倒産するのでしょうか。
実は、これも、キャッシュフローと利益計算の考え方の違いにより説明できます。
・売上代金の回収が遅い、若しくは回収できなかった。 ・在庫を抱え過ぎた。 ・借入の返済額が、利益に比べて大きい。 |
①売上代金の回収が遅い、若しくは回収できなかった。
通常、今月の売上代金が、翌月の仕入、給与、その他の経費そして借入の返済等の日々の支払いの原資となります。
帳簿上の利益計算では、代金の回収がされていない製品納品時点で売上を計上するため、利益が出て儲かっているように見えます。
しかし、売上代金の回収が遅れ、キャッシュが獲得できなければ、日々の支払いのためのキャッシュが確保できず、倒産の可能性が高まります。
②在庫を抱えすぎた。
利益計算では、販売した製品に対応する分の仕入しか経費に計上できないため、在庫となった分は経費から除外しなければいけません。
しかし、在庫となった分も代金の支払いがあるため、利益とキャッシュフローは乖離してしまいます。
そのため、何らかの事情により、当初予定していた販売ができず、在庫を抱えすぎてしまった場合には、帳簿上、黒字になるかもしれませんが、実際のキャッシュは大きく減ってしまいます。
・製品 キャッシュフローとは 仕入値 1個10万円、売価 1個20万円
・製品を10個仕入れて、100万円支払う。
・製品を1個販売し、20万円受け取る。
販売については、キャッシュフローと利益計算では、共に販売した製品1個分の20万円が売上として計上されますが、仕入については、キャッシュフローでは、仕入れた製品10個分で100万円のキャッシュアウトを計上します。
しかし、利益計算では、仕入れた製品10個のうち、販売された1個分10万円だけを計上され、残りの9個分の90万円は在庫として経費から除外されます。
そのため、キャッシュフローと利益では儲けの金額に差が出てしまいます。
③借入の返済額が利益に比べて大きい。
・70万円で材料を仕入れて、代金を支払った。
・製品を100万円で販売し、代金を回収した。
・銀行借入の返済として50万円支払った。
一方で、キャッシュフローでは、売上、仕入だけでなく借入の返済50万円も考慮します。
そのため、儲けとしては20万円のマイナスとなってしまいます。
帳簿上の利益計算では黒字ですが、実際にはキャッシュが20万円減ってしまっているので、今後の経営に支障が出るでしょう。
2.キャッシュフローの3つの種類
・営業キャッシュフロー 会社の本業にかかわるキャッシュフロー
・投資キャッシュフロー 会社の設備投資にかかわるキャッシュフロー
・財務キャッシュフロー 会社の資金調達にかかわるキャッシュフロー
2-1.営業キャッシュフローとは?
営業キャッシュフローとは、会社の本業によるキャッシュフローです。
すなわち、本業でどれだけキャッシュを稼いだかを表すものです。
そのため営業キャッシュフローは、プラスでなければいけません。
ここでいう本業とは、その会社のメインとなる事業活動です。
工場の場合だと、製品の製造販売のための一連の全ての活動となります。
・製品の得意先から販売代金を150万円回収する。
・仕入先に部品の代金50万円を支払う。
・役員報酬を30万円支払う。
・従業員に給与を20万円支払う。
・社会保険料を10万円支払う。
・事務所の家賃を10万円支払う。
・広告費を5万円支払う。
これらはすべて、本業に関わるお金の動きで営業キャッシュフローを構成するものです。
上記の具体例の収支を合計すると、営業キャッシュフローはプラス25万円となります。
営業キャッシュフローがプラスとなっているため、経営は健全だといえるでしょう。
もし、営業キャッシュフローがマイナスとなってしまった場合には、本業でお金を稼げていないので、経営に問題があるといえるでしょう。
その場合にはすぐに経営の見直しをする必要があります。
また、次節で述べるように、不足するキャッシュを別の手段で確保する必要があるかもしれません。 キャッシュフローとは
2-2.投資キャッシュフローとは?
投資キャッシュフローとは、会社がどれだけ設備投資しているかを表すキャッシュフローです。
ここでいう設備投資とは、製品製造に必要な機械装置の購入や、古い機械の売却など、金額の大きな設備の売買のことをいいます。
・古い機械を500万円で売却する。
・新しい拠点として工場を3000万円で建設する。
・有価証券を100万円購入する。
・有価証券を200万円で売却する。
投資キャッシュフローは、営業キャッシュフローとは違い、その合計がマイナスであっても問題ないことがほとんどです。
会社が成長段階であったりして、積極的に投資しているときには、マイナスになります。
逆に、本業である営業キャッシュフローがマイナスとなり、その補填として不要な財産を売却する場合や、会社の不採算部門を整理する場合にはプラスになるでしょう。
2-3.財務キャッシュフローとは?
財務キャッシュフローとは、会社の資金調達や返済等の財務活動にかかわるキャッシュフローを表します。
・銀行から1000万円の借入をした。
・銀行に100万円借入の返済をした。
・500万円増資した。
3.キャッシュフロー計算書とは?
キャッシュフロー計算書とは、一定期間にかかわる会社のキャッシュフローを表す財務諸表の一種です。
中小企業では、キャッシュフロー計算書の作成は義務ではありませんので馴染みのない方もいるかもしれません。
会社では、常に色々なキャッシュフローが発生します。
そのため、キャッシュフローを網羅的に見るためにはキャッシュフロー計算書を作成する必要があります。
3-1.キャッシュフロー計算書の構造
期末のキャッシュ残高 キャッシュフローとは = 期首のキャッシュ残高 + キャッシュフロー合計
3-2.直接法と間接法
①直接法とは
(例)
営業収入 500万円
原材料または商品の仕入の支出 300万円
給料・広告費の支出 100万円
その他の営業支出 50万円
直接法は、その活動ごとに直接収支を記載するので分かりやすいメリットがあります。
一方で、作成に手間がかかるというデメリットがあります。
税務署に提出が義務付けられている貸借対照表や損益計算書とは別に基礎資料を用意し、その作成のためのコストを確保しなければいけません。
②間接法とは
税務署への提出義務がある貸借対照表と損益計算書のデータをもとに営業キャッシュフローを算出します。
直接法とは異なり、作成のための追加コストをかけることなく、キャッシュフロー計算書を作成できます。 キャッシュフローとは
しかし、間接法は、損益計算書の当期純利益からスタートし、下記の項目を調整して、営業キャッシュフローを算出するため、その見方が少し難しくなります。
・減価償却費などのお金が出ていかない項目の調整
・投資活動や財務活動に含まれる損益項目の調整
・営業損益計算の対象となる取引における債権債務の調整
・売掛金の調整
・棚卸資産、買掛金の調整
例えば、減価償却費による調整については、減価償却費は、損益計算書では経費として計上されているものですが、キャッシュは減っていくものではありません。
そのため、減価償却費により、利益とキャッシュフローがずれています。
そこで、間接法では、そのずれを調整するのです。他の項目も同じように利益とキャッシュフローのずれを調整るためのものとなります。
4.キャッシュフロー経営
キャッシュフロー経営とは、お金の出入り(=キャッシュフロー)に着目し、資金に余裕のある経営をすることです。
会社が倒産するのは、利益が足りないからではなく、キャッシュが足りなくなるためです。
そのため常にキャッシュに注意を払っていれば、そのリスクを軽減することができます。
キャッシュフローとは キャッシュフロー経営 キャッシュフローとは キャッシュフローとは キャッシュフローに着目し、資金に余裕を持った経営 |
4-1 売上や利益重視の経営だけでは、なぜだめなのか
キャッシュフロー経営は、キャッシュフローに着目した経営方法ですが、これと対比する経営方法で、売上重視の経営と利益重視の経営があります。
しかし、売上重視や利益重視の経営では、不十分であり、それを補うためにはキャッシュフロー経営が必要なのです。
問題点 | |
売上重視の経営 | 売上規模の拡大を追うあまり、コストへの意識が欠ける。 |
利益重視の経営 | 利益は帳簿上の儲けのため、資金的裏付けのない可能性がある。 |
①売上重視の経営との比較
売上重視の経営は、とにかく売上を増やして会社の規模の拡大を優先する経営です。
しかし、売上を重視するあまり、安易な値引き、過大な広告費等のコストに目がいかず、キャッシュが全く貯まらないのです。
会社の規模を拡大すること自体は必要な場合もあるのですが、いつまでたっても経営は安定しないでしょう。
一方で、キャッシュフロー経営は、キャッシュの増加を目的にするため、経営の安定につながります。
②利益重視の経営との比較
利益重視の経営は、会社の儲けである利益を重視した経営です。
しかし、ここでいう利益は帳簿上の儲けのため、掛による売上等によりキャッシュの裏付けのない儲けの可能性があります。
また、利益は、会計処理の方法によって金額が変わってしまうあいまいなものでもあります。
したがって、経営を判断する上では、利益だけを重視するのは不十分といえるでしょう。
一方で、キャッシュフロー経営は、実際のキャッシュの動きに着目するため、あいまいさを排除できます。
4-2.キャッシュフローとは フリーキャッシュフローとは
フリーキャッシュフローとは、会社が自由に使えるキャッシュを意味します。
そのため、フリーキャッシュフローが潤沢であれば、キャッシュフロー経営が実現できているといえるでしょう。
①フリーキャッシュフローの計算方法
フリーキャッシュフローとは、会社が本業で稼いだキャッシュから、本業の現状維持のために必要な投資のためのキャッシュを差し引いた残りで、会社が自由に使うことができるキャッシュを意味します。フリーキャッシュフローは、下記のように算出できます。
フリーキャッシュフロー = 営業キャッシュフロー + 投資キャッシュフロー キャッシュフローとは
②フリーキャッシュフローの見方
キャッシュフロー経営とは、資金に余裕のある経営です。
フリーキャッシュフローがプラスでないと、銀行借り入れの返済もできず、新規事業への投資もできず、株主への配当も支払うことができません。
なお、フリーキャッシュフローを見るときは、会社の傾向をみるため、単年度の金額だけではなく、過去数年の金額も見る必要があります。
フリーキャッシュフロー(FCF)の状況 | 会社の状況 | 対策 |
FCFがプラスであり、営業CFもプラス | 稼ぐ力があり、現状の事業維持も出来ている理想的な状況 | 余裕資金を将来のために使える |
FCFがプラスであり、営業CFがマイナス | 本業の不調を既存設備の売却で補填している状況。この状況が続くと、近いうちに資金不足に陥る | 資金に余裕があるうちに、本業の見直しが必要 |
FCFがマイナス | 本業も不調であり、換金できる財産もなく、非常にまずい状況。今すぐ対策を取る必要がある。 | 本業の見直しが必要。また銀行借入により、資金を確保する必要がある |
4-3.キャッシュフロー改善のポイント
①キャッシュの大きさ
キャッシュの大きさとは、いくらのキャッシュが入ってくるか若しくは出ていくかという視点です。
キャッシュフローを改善するためには、キャッシュインを増やし、キャッシュアウトを減らすことです。
例えば、製品を10個売るよりは、製品を20個売る方が会社にキャッシュが残るでしょう。
そのためには、製品開発をし、協業他社に負けない製品を作ること、新しい取引先を開拓することが必要になります。
またまた、うまく経費を減らせることができれば、それだけ会社にキャッシュは残るでしょう。
そのためには、自社の経費の見直しをし、無駄を削減したり、より条件のよい仕入先を開拓する必要があるでしょう。
②キャッシュのスピード
キャッシュのスピードとは、どれだけ早くキャッシュを獲得し、どれだけ遅くキャッシュを支払うかという視点です。
すなわちキャッシュインをできるだけ早くし、また、キャッシュアウトをできるだけ遅くすれば、それだけ会社にキャッシュが長く滞留することになります。
上の例で述べたように、製品を販売(納品)しても、代金は翌月以降の回収ということがほとんどです。場合によっては、手形を発行され、半年後の入金といったケースもあります。
これではせっかく製品を販売しても会社のキャッシュはすぐに増えていません。
そのため、会社のキャッシュを増やすために、できるだけ早く代金を回収できるように得意先と交渉する必要があります。
また、経費の支払いをできるだけ遅くするためには、仕入先との交渉により翌月以降の支払いにする、一括払いを避け分割払いを選択するといった方法をとる必要があります。
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● キャッシュフローとは 利益が出ているのに、お金が貯まらない
● 借入金の返済残高が減らない
● 現預金は、いくらあれば大丈夫なの?
さらに
● いくら「売上」と「利益」を獲得すればいいのか?
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キャッシュフロー計算書とは?企業のお金の動きを読めるようになろう!(いろはに講義④)
例えば、損益計算書では黒字なのに営業キャッシュフローがマイナスの場合、「売掛金」が回収できていないという問題があったりする。
売掛金とは代金を受領する権利のことだよ。具体的に言うと、販管費100万円をかけて200万円の売上を上げたとしても、そのうち120万円が売掛金だったら、会計上は利益が出ているけれど実際の現金でみると-20万円の赤字になる。
これが積み重なると、いわゆる黒字倒産に繋がっていくんだ。
損益計算書だけ見たらプラスなのに!
3つの資料を合わせて見ることが大切なんですね・・・
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キャッシュフローとは
1 勘違いされやすい「キャッシュ・フロー」と「資金繰り」
2 「キャッシュ・フロー」の意味にだまされるな!
まずは、キャッシュ・フローです。キャッシュとは「お金」のことですよね。そこは問題ないと思います。フローは「流れ」のことです。ですから、キャッシュ・フローとは「お金の流れ」を意味します。
中小企業も「キャッシュ・フロー経営」をしていくことが大事ですが、実際にはどのようにして自社のキャッシュ・フロー(お金の流れ)を見ながら経営をしていけばいいのでしょうか?
残念ながら、決算書を見てもキャッシュ・フロー(お金の流れ)は分かりません。決算書とは、貸借対照表と損益計算書のことです。貸借対照表は「資産と借金のバランス」を見るための表です。損益計算書は「儲け」を見るための表です。ですから、貸借対照表と損益計算書を見たところで、キャッシュ・フロー(お金の流れ)は誰にも分からないのです。そこで「キャッシュ・フロー計算書」という中小企業にはあまり馴染みのないものが登場してきます。
では、「キャッシュ・フロー計算書」の本当の姿とは何なのでしょうか? それは「 お金の増減バランスを見るための表 」です。では、お金の何と何の増減バランスを見るのでしょうか? その答えは、次の3つです。
まずは、一番下にある「キャッシュの増加額」を見てください。A社もB社も会社全体のお金の増減だけを見れば11億円の増加です。A社もB社も全く同じですので、これだけ見ていてもA社とB社の違いが分かりません。そこで、それらの内訳として、お金の3つの増減バランスについても見ていきたいと思います。
まずはA社から見ていきましょう。本業でのお金の増減を見ると2億円の赤字ということが分かります。ところが、株や不動産を売ったことによって5億円のお金が増えています。さらに借入をして8億円が増えています。その結果、会社全体で見ると11億円のお金が増えたということです。
次に、B社を見てみましょう。本業で9億円の黒字です。株や不動産を売ったことによって増えたお金は1億円しかありません。そして借入でも1億円しか増えていません。その結果、会社全体で見ると11億円のお金が増えたということです。
ここでちょっと考えてみてください。もしあなたが投資家であったなら、A社とB社のどちらの会社に投資をしたいと思いますか? 普通に考えれば本業に強いB社に投資しますよね。「キャッシュ・フロー計算書」は何を隠そう、この投資判断をするためのものなのです。
ここまでお読みになれば、気付かれたことでしょう。 「キャッシュ・フロー計算書」は投資家向けの情報であり、経営者向けの情報ではない ということです。
特に勉強家の中小企業経営者にありがちなのですが、「うちもキャッシュ・フロー計算書を作ってキャッシュ・フロー経営をしないといけないと思っています」という考えです。このような方には筆者は常々こう言っています。「キャッシュ・フロー計算書は作らなくていいですよ。あれは投資家向けの情報であって経営者向けの情報ではないからです。上場会社は、法律により(投資家のために)作らないといけないことになっていますが、上場していない中小企業は作る義務はありません」と。
3 「資金繰り」とはそもそもどういう意味なの?
ここから話がガラッと変わります。ここまでの話では「キャッシュ・フロー計算書」は、先々の経営判断の材料にはならないということでした。それでは、どのようにすれば、お金の流れをつかむことができるのでしょうか? 何を材料にして先々の経営判断をしていけばいいのでしょうか? その答えが「資金繰り」です。
中小企業経営者に「資金繰りはきちんとやっていますか?」と聞くと、「はい、やっています。金融機関には折り返しで融資できるように話はしています」という声をよく聞きます。「ということは資金繰り表をきちんと付けているのですね?」と聞くと、「え~、そういうのはあるにはあるけど……」と急に歯切れが悪くなることが多いのです。
「資金繰り」は「どうやってお金を借りるのか?」という意味ではありません。 キャッシュフローとは 「資金繰り」は「予測」すること です。何を予測するのかというと、お金の流れを予測します。お金の流れとは、先々の日々のお金の「入り」と「出」と「残り」のことです。そのお金の流れを予測した結果、例えば、4カ月後の仕入代金が1000万円足りなくなりそうであれば、お金を借りることを検討します。つまり、資金繰りは、まず予測ありきなのです。資金繰り=予測といってもいいでしょう。予測あっての借入ということになります。
簡単に説明します。エクセルで、1カ月分を1シートとし、12シート(1年分)を作成し、見込み(予測)の数字を1年先まで入力してしまいます。実際に動いた実績の数字については、見込み(予測)の数字を上書きして修正します。そのようにしていけば、「〇月〇日にいくらお金が足りなくなるのか?」、あるいは「〇月〇日にいくらお金が余っているのか?」ということが、誰が見ても一目瞭然になります。そのため支払い直前ギリギリではなく、何カ月も前に打つ手が明確になります。対策が立てやすく、気持ちに余裕を持って資金繰りができるようになります。白色は「入り」、黄色は「仕入」、緑色は「経費」、青色は「税金」、茶色は「返済」としています。ちなみに、この資金繰り表は「どんぶり大福帳®」と名付けました。
なお、この「どんぶり大福帳®」は、 こちらからダウンロード できます。
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