2022年ゴールデンウィークのおでかけ指数 ~イベント再開が人出増加に貢献
九州経済調査協会が提供する「DATASALAD(データサラダ)(※1)」では、景気、産業、社会に関する政府統計に加え、人流や求人等のビッグデータ・オルタナティブデータを、地域の景気や産業の動向を分析する指標として加工、可視化しています。
本レポートでは、当会が提供している人流モニタリングプラットフォーム「おでかけウォッチャー(※2)」の掲載データ の一部を集約した「おでかけ指数 」により、2022年のゴールデンウィーク期間における全国の人流動向を分析しました。
■おでかけ指数とは
おでかけウォッチャーに掲載している人流(ある地域への来訪者数、およびある地域からの出発者数)を指数化して公表するものです。コロナ禍前にあたる2019年の日平均を100として指数化したもので、全国、地域ブロック、都道府県、市区町村の単位で公表しています。更新タイミングは毎週木曜日です。
※おでかけ指数の開発について、詳細は九州経済調査月報2022年5月号(小柳真二「新たな人流指標『おでかけ指数』の開発」, https://www.kerc.or.jp/sp/20220511_2.pdf )で紹介しています。
■全国・九州の動向:都道府県単位では2019年に対し3~5割減程度まで回復
2022年GW(4/29~5/5)におけるおでかけ指数(来訪地側・原数値の期間平均値)は、全国98.1、九州(7県)123.3となり、全国ではコロナ禍前の2019年通年の平均並み、九州ではそれを上回る人流が生じました。2019年GWと比較すると、全国で▲48.3%で5割強程度の人流回復となるなか、九州は▲44.5%で3.8%ポイント高く、相対的に強い回復傾向となっています。
■九州地域における市区町村別の動向:イベント開催が人出増加に貢献
九州地域(九州・沖縄・山口)における市区町村別のおでかけ指数は、算出対象296市区町村のうち199市区町村(67.2%)で100以上、62市区町村(20.9%)で200以上となりました。また2019年GWと比較すると、小規模な自治体を中心に13市町村(4.4%)で2019年GWを上回っています。
ランク外ではありますが、今回のGWは都市部においても、2020~2021年に中止されていたイベントが開催されました。例えば福岡市では、博多どんたく(福岡市民の祭り 博多どんたく港まつり)が規模を縮小しながらも開催されました。開催期間の5/3-5/4にかけて、会場となった博多区では指数が80台後半、中央区では120台前半まで上昇しています。もともと人流が多い都市部であり、また博多どんたくは市民参加型のイベントで観客も市民が多いと想定される[1]ことから、前述の市町村ほど顕著な上昇ではありませんが、開催期間中はGW期間のなかでも高い値となっており、集客に大きな効果があったと考えられます。
[1] おでかけ指数が対象としているのは、発地(居住地域)から20km離れた場所からの来訪者であるため、概ね福岡都市圏からの来訪者はカウントされていません。
指標からドルが強含む
※1 DATASALAD ( https://datasalad.jp/ ) とは
データ処理が煩雑になりがちな地域経済に関するデータを収集・整理・可視化して提供している地域経済データのプラットフォームです。景気、産業、社会に関する政府統計に加え、人流(宿泊施設の稼働状況等)や求人等のビッグデータ・オルタナティブデータを掲載しています。
※2 おでかけウォッチャー( https://odekake-watcher.info/ )とは
株式会社ブログウォッチャー(本社:東京都中央区)より位置情報ビッグデータの提供を受け、当会が提供している観光動態モニタリングサービスです。自治体や観光協会、DMOの方は、基本機能を無償でご利用いただくことが可能です。
※位置情報ビッグデータは、承諾を得たユーザー(月間2,500万MAU)のスマートフォンから取得したものです。
※サービスの詳細は、ウェブサイト、および九州経済調査月報2022年5月号(岡野秀之「デジタル観光動態統計プラットフォーム おでかけウォッチャーの開発」, https://www.kerc.or.jp/sp/20220511_1.pdf )で紹介しています。
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